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Oリング劣化と気密保持の点検ポイント

撹拌脱泡機の真空が続かないのはなぜ?
Oリング劣化と気密保持の点検ポイント

真空撹拌機や真空脱泡機を使っていると、「以前よりも真空が上がるまでの時間が長くなった」「最終的な真空度がカタログ値まで届かなくなった」と感じる場面に出会うことがあります。これが重大な故障の予兆なのか、消耗品の劣化による自然な変化なのか、判断に迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、真空が上がりにくくなったときにまず確認したい切り分けの視点、気密性を担うOリングなどのシール部品が劣化する仕組みとサイン、そして自社で対応できる範囲と業者に相談すべき判断軸までを整理します。

真空が「以前より上がらない」と感じたら、まず切り分けたいポイント

真空到達度の低下は、単一の原因だけで起こるとは限りません。まず確認したいのは、劣化しやすい消耗部品であるOリングやガスケットといったシール部品の状態、真空ポンプ側の状態、そして配管や継手など接続部の状態という3方向からの切り分けです。真空度の基本的な考え方や、装置の気密性が真空度にどう関わるかについては、下記のページもあわせてご確認ください。

撹拌脱泡機の真空度とは?
Pa・kPaの見方と必要な真空度の決め方を解説

シール部品の劣化による漏れは、運転開始からしばらくは正常に真空が上がるものの、徐々に到達時間が延びたり、最終到達真空度が少しずつ甘くなったりする形で進行することが多いとされています。一方、真空ポンプ側の不具合(オイルの汚れや量の不足など)や、接続部の緩みによる漏れは、比較的急に状態が悪化するケースもあり、進行のパターンにも一定の違いがみられる場合があります。

気密性を保つOリング・ガスケットの役割

真空撹拌機・真空脱泡機は、容器内を大気圧より低い圧力まで減圧して使用するため、容器の開口部やふたの合わせ目、配管の継手部分など、装置のいたるところに気密性を保つためのシール部品が使われています。ゴム製のOリングやガスケットは、圧縮された状態で隙間を塞ぎ、外部の空気が容器内に流入するのを防ぐ役割を担っています。真空脱泡機・真空撹拌機の基本的な仕組みについては、下記のページもご参照ください。

真空脱泡機とは?
仕組みや真空撹拌機との違い、選び方を解説

こうしたシール部品は消耗品であり、永久に同じ状態を保てるわけではありません。使用年数や使用回数に応じて劣化が進み、シール性能が徐々に低下していくことは避けられない前提として捉えておく必要があります。

Oリングが劣化する主な原因とサイン

Oリングの劣化には、いくつかの典型的な型があるとされています。

特にへたり(圧縮永久歪み)については、Oリングを圧縮してから解放したときに、どれだけ元の太さに戻らないかを示す指標で、JIS K6262などの試験方法で評価されることがあります。一般的には、この歪みの割合が大きくなるほどシール性能が低下し、ある程度を超えると漏れが発生しやすくなるとされています。ただし、この基準値は撹拌脱泡機に特化したものではなく、装置の使用条件(減圧・大気開放を繰り返す頻度、扱う材料の種類、洗浄剤との接触の有無など)によって、実際の劣化の進み方には差が出ると考えられます。

サインとしては、以前と同じ設定にもかかわらず真空到達までの時間が延びた、最終到達真空度が徐々に甘くなってきた、開口部周辺のゴム部品に硬化やひび割れ、変色が目視で確認できる、といった点が挙げられます。

気密性が落ちると何が起きるか

気密性が低下すると、まず影響が出やすいのが脱泡・撹拌にかかる処理時間です。設定した真空度まで到達するのに時間がかかるようになると、1バッチあたりのタクトタイムが延び、生産計画全体に影響することがあります。また、十分な真空度まで到達しないまま処理を進めてしまうと、材料内部に気泡が残る脱泡不良につながるおそれもあります。劣化を放置したまま運転を続けると、真空ポンプに余分な負荷がかかり続けることになり、ポンプ側の消耗を早める一因になるとも考えられます。

自分で点検できること/業者に依頼すべき判断軸

日常的な自主点検としては、運転前後に開口部周辺のOリングやガスケットに硬化・ひび割れ・変色がないかを目視で確認すること、規定のトルクで確実に締め付けられているかを確認することなどが挙げられます。多くの機種でOリングそのものの交換は消耗品交換として利用者側で対応できるとされていますが、交換の頻度は、目安として1年に1回程度とされることがある一方、バッチ処理の頻度や扱う材料、洗浄剤との接触の有無によって適切な周期は変わってくるため、自社の使用条件に合わせて確認しておくことが望まれます。

一方で、目視での劣化が見当たらないにもかかわらず真空が上がらない、あるいはOリングを交換しても改善しない場合は、真空ポンプ内部や配管接続部など、利用者側での分解点検が難しい箇所に原因がある可能性があります。こうした場合は、無理に分解を進めず、メーカーや専門業者への相談を検討したほうがよいでしょう。業者に依頼する場合は、部品代に加えて技術料が別途発生することがあるため、依頼前に見積り内容を確認しておくと安心です。

気密性を維持するための日常的な運用ポイント

気密性を長く保つためには、Oリングやガスケットに無理な負荷をかけない使い方も大切です。例えば、開口部を閉める際に異物やほこりを挟み込んだまま締め付けてしまうと、シール部品の傷や偏った摩耗につながることがあります。また、材料に含まれる溶剤や洗浄剤の種類によっては、シール部品との相性(耐薬品性)が劣化の進み方に影響することもあるため、使用する材料が決まっている場合は、その材料に適したシール材質かどうかをメーカーに確認しておくとよいでしょう。日頃のメンテナンス全般については、下記のページもあわせてご確認ください。

撹拌脱泡機のメンテナンス方法

まとめ:気密性の低下は「消耗品の自然な劣化」として早めに気づくことが大切

撹拌脱泡機・真空脱泡機の真空到達度が徐々に悪化する背景には、Oリングやガスケットといったシール部品の劣化が関わっていることが少なくありません。へたりや硬化、膨潤といった典型的な劣化のサインを日常点検で早めに捉え、目視での劣化が見当たらないケースは真空ポンプ側や接続部との切り分けも含めて確認することが、大きな故障や生産計画への影響を防ぐ第一歩になります。なお、実際の交換周期や適切なシール材質は、扱う材料や運転条件によって異なるため、最終的な判断はメーカーや専門家にご確認ください。

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方式が分かるメーカー

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効率的な処理を追求できる
撹拌脱泡機メーカー厳選3社

自社製品や素材の特性に合わせて繊細な調整ができ、効率化につながるカスタマイズ性と、自社製品での処理精度をしっかり追求できるようレンタルとデモの両方ができることに注目し、処理目的ごとにメーカーを厳選しました。
量産‧⼯業利⽤
多量・大容量の
処理向き

三星工業

公式キャプチャ
引用元:三星工業株式会社公式HP(https://www.mitsuboshi-k.co.jp/high_rotor/)

独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。

防爆仕様のため大量の材料を混ぜても安心

処理可能な容器の容量
300ml未満
1L未満
10L未満
20L未満
20L以上
【例えばこんな素材】

シリカ、高粘度樹脂、ワニス、セラミック増粘剤、オイル、UV硬化性樹脂など

公式HPで
詳しく確認

撹拌脱泡機の
特徴をチェック

電話で問い合わせる

量産‧⼯業利⽤
小~中容量の
処理向き

写真化学
(プロダクトカンパニー)

公式キャプチャ
引用元:写真化学(プロダクトカンパニー)公式HP(https://www.shashin-kagaku.co.jp/)

1カップ300mlから7000mlまでの間で、中容量のラインナップが最多。

撹拌による温度上昇を抑制することができる

処理可能な容器の容量
300ml未満
1L未満
10L未満
20L未満
20L以上
【例えばこんな素材】

接着剤、フィラー、導電性ペースト顔料、酸化チタンなど

公式HPで
詳しく確認

撹拌脱泡機の
特徴をチェック

電話で問い合わせる

研究開発利用
小容量での
開発処理向き

シンキー

公式キャプチャ
引用元:シンキー公式HP(https://www.thinkymixer.com/ja-jp/)

研究用コンパクト機のなかでも、100mlの小型モデルあり。

新規材料でのレシピ提案のアフターサービスあり

処理可能な容器の容量
300ml未満
1L未満
10L未満
20L未満
20L以上
【例えばこんな素材】

シール材、グリス、ガラスペースト、シリコーン樹脂、PDMSなど

公式HPで
詳しく確認

撹拌脱泡機の
特徴をチェック

電話で問い合わせる

2021年11月2日時点で、Google検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが製造している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
【選出基準】
多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を製造しているメーカーを選出。
小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種製造しているメーカーを選出。
小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種製造しているメーカーを選出。