多くの業界で採用されている撹拌脱泡機は、粉末と液体を混ぜるために使われます。手作業で混ぜるとムラができますが、機械を使うと作業時間が短縮でき、均一な処理が可能です。以下、粉末と液体を混ぜた事例をご紹介します。
なお、ここで紹介していく事例については、自社に合わせたカスタマイズが可能で、かつレンタルやデモも可能な会社のものに限定しています。
半導体向け機能フィルムの素材は、粉体・粘性材・ワニス・溶剤など。生産性と処理精度を上げられる撹拌脱泡機を探していました。1度に4つの容器を処理でき、強力に撹拌脱泡できるHR100で、課題を解決。凝集しやすい粉の成分を精細に分散できました。
リチウム電池の材料を製造している会社。アルカリ液に増粘剤と金属粉末を混ぜる際に、粒子の破壊が起こらない分散力のある量産機を探していました。4つの器を同時に処理できるHR100が、希望にマッチ。分散力が強い一方で、その分調整幅も大きいため、粒子を損傷することなく分散できました。
粉体とオイルを混ぜるなど、メイクアップ化粧品を製造しているメーカー。製造工程の見直しを行い収益アップにつなげたいという課題がありました。大きすぎる機械を使い無駄が出ていたこと、さらに処理時間と清掃時間短縮を目的に、HR100を導入しました。
導入前にさまざまな製品の分散試験を実施し、多くの製品で利用できる点が事前に分かったことに満足しています。
工場で実装工程に使用するソルダーペーストを、手撹拌すると作業する人によって仕上がりにばらつきが出て、品質に差が出てしまいます。
機械を導入したことで、練り時間が大幅に短縮でき、誰が作業しても同じ高品質のペーストが作れるようになりました。機械は使いやすく10年以上大きな故障もなく活躍しています。
昔に建てられた木造建築は、外部からの光を吸収するためや防虫・防腐などの目的で、家の壁を黒く塗装しています。黒くするために使われる墨塗り剤は、柿渋(液体)と松木を焼いた煤(パウダー)を混ぜたものが材料です。手作業で混ぜるとムラができやすいため、機械を使って撹拌脱泡すると、気泡もなく均一な仕上がりとなります。
樹脂などを溶剤にとかした透明塗料のワニスと、着色に用いる粉末で水や油に不溶の顔料を、手作業で均一に混ぜるには時間がかかる上、難しい作業です。機械を使って撹拌脱泡すれば、短時間で気泡を取り除きながら、均一に混ぜることができます。
ファンデーションは主に粉末(パウダー)と油(オイル)を混ぜて作られています。手作業ではムラができ、均一に混ぜることが難しい上、多くは大量生産されるため、機械を用いて撹拌と脱泡を行います。品質の保持や向上のために求められる高い精度の撹拌脱泡でも、機械によって処理すれば可能です。
でんぷん粉食品を製造する際に、でんぷん粉とシロップを混ぜ合わる工程があります。手作業では時間がかかり、均一に仕上げるのは難しいことです。また、大量生産に対応するには、機械を使って撹拌脱泡すれば、短時間でダマや気泡もなく、きれいに仕上げることができます。
蛍光体とシリコーン樹脂を手撹拌し、その後、真空チャンバーを使って脱泡処理を行います。大きな粒子径のシリコーン樹脂を用いると、蛍光体に沈殿や分離が生じ、品質に影響を及ぼすことが問題です。撹拌脱泡機を導入すると、均一に分散でき、気泡が混入することもなく、5時間の作業時間が、わずか数分と大幅な時間短縮も実現しました。
液体と粉体を、ダマを生じさせることなく混合できます。ダマになってしまう粉や粉が液面に浮いてしまったりする課題を抱えている場合に、特におすすめしたい機器です。ダマが生じにくいのは、ホッパーから配管へと粉体が引き込まれていくときに、かたまりが崩れるようになっているからです。また、粉が液面に浮く現象については、粉および液が通る配管を、液面よりも低い位置に設置することで解消しています。
ちなみに、増粘剤が水にどのくらい溶解するかを観察する実験で、一般的な設備とミキシングユニットをそれぞれ使用した比較実験の画像が公式で確認できます。10分間の攪拌後、前者はダマがたくさん残ってしまいました。一方、後者は細かいゲル状のダマは底のほうに残りましたが、タンク内には目立つダマは見られませんでした。
独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
1カップ300mlから7000mlまでの間で、容量区分のラインナップが最多。
研究用コンパクト機のなかでも、100mlの最小モデルあり。
2021年11月2日時点でGoogle検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが生産している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
※多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を生産しているメーカーを選出。小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種生産しているメーカーを選出。小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種生産しているメーカーを選出。