撹拌脱法機を導入するメリットは、一番は1つの機械で2つの処理を同時に行えるということです。撹拌脱泡機は、「撹拌機」と「脱泡機」の2つを併せた装置です。それぞれの装置の性能を備えているため価格が比較的高くなります。価格だけで考えると、別々に購入しようと考える人もいるでしょう。しかし、価格だけで装置を決めては、処理精度だけでなく長期使用を考えた時に損をする場合があります。どんな場合に装置を個別で買うべきか、撹拌脱泡機1台のみを買うべきかをそれぞれ解説します。
撹拌機と脱泡機を別々に買った方がいい人とはどんな条件や考えを持っているのか見てみましょう。
撹拌脱泡機は2つの機能を併せ持つため、それなりの価格になります。処理容量にもよりますが、何百万から何千万という価格もあります。企業や研究室の予算の都合がつかない場合は、撹拌脱泡機の購入が難しいこともあるでしょう。そんな場合は撹拌機と脱泡機、それぞれ別々に購入することがあります。
生産や研究開発の工程でこだわりがない場合は、撹拌機と脱泡機を個別に購入することがありえます。
真空で脱泡したい、公転自転の速度バランスを調整して比重や粘度の違う複数材料を扱いたい、非接触方式で粒子形状を維持したいなどのこだわりがない場合。あるいは、洗浄やメンテナンスの手間を省きたいといった効率を考えない場合などです。
プロペラやローラーで撹拌・脱泡すると、機械部分に素材が付着して、どうしてもロスが発生してしまいます。価格の高い素材でロスを可能なかぎり減らしたい場合は、プロペラやローラーを使わない撹拌脱泡機での処理が適しています。
気にならない場合は、素材や処理工程に適したプロペラ式やローラー式の撹拌と脱泡が個別になっている装置の方がコストパフォーマンスで優れていると言えるでしょう。
撹拌と脱泡が1つの装置で処理できる撹拌脱泡機は、便利で高度な処理ができる機械です。どんな希望条件や考えを持っている人が選んでいるのか見てみましょう。
撹拌脱泡機は1台で処理が完結できるので操作しやすく、容器内部で処理するため洗浄の必要がないなど扱いやすい装置です。
短時間でのムラのない処理が可能なため、生産スケジュールや研究予定などが立てやすいといったメリットもあります。1台で撹拌と脱泡2つの処理ができる撹拌脱泡機は、使いやすさや効率の良さを求める生産工程や研究開発で多く利用されています。
処理に高い精度を求めるなら撹拌脱泡機を選択します。公転と自転の速度バランスを調整して、比重や粘度の違う複数材料を均一に混ぜたいとき。高粘度の処理がしたい場合や非接触方式で粒子形状を維持したいとき。
このような高度な処理を求める場合は、個別の装置では限界があるため、多くは撹拌脱泡機を購入します。
撹拌にプロペラや3本ロール、ローラーを使用した場合、羽根やローラーなどに素材が接触するため、どうしてもロスが生じます。撹拌脱泡機は、非接触方式で素材に接触せずに処理し、指定の容器を使うことも可能です。素材のロスなく撹拌と脱泡の処理が行えます。高価な素材や少ない素材のため、可能な限りロスを減らしたいと考えている場合は撹拌脱泡機を選びましょう。
撹拌と脱泡を一体化することで、従来は2台必要だった装置と据付スペース、配線・配管を1台分に集約できます。素材を撹拌機から脱泡機へ移し替える手間がなくなるため、取り替え時間を大幅に短縮でき、少量多品種生産でも効率良く生産可能です。
移送時の付着損失や飛散も抑えられるので、クリーンルームの清掃工数が減ります。また、装置据付面積は削減しながらも、生産キャパシティは同じ床面積から拡大できる点も魅力です。今後の機器追加や拡張も考えられるようになります。
撹拌直後に連続して脱泡を行うことで、微細気泡や未分散粒子が再凝集する前に除去できます。とくにUVレジンや熱硬化樹脂では、硬化後のボイド発生率が低減し、気泡起因のクラックや強度低下を防げます。
高粘度材料でも公転・自転比を最適化すればせん断熱を抑えつつ均質化できるため、粘度変動が小さくなります。それによって、塗布ラインや射出成形工程の条件出しが容易になる点が強みです。結果として歩留まりが向上し、原材料ロスと再加工コストを削減できる可能性があります。
撹拌脱泡機は専用容器内で処理が完結し、羽根やローラーが液に直接触れない非接触方式が主流です。このため洗浄は容器交換だけで済み、機内CIPや部品分解洗浄が不要になります。
医薬・化粧品などGMPが求められる現場では、洗浄検証にかかるバリデーション負荷を軽減でき、クロスコンタミネーションのリスクを最小化できます。部品点数が少なくなるため、シール部からの粉塵侵入や潤滑剤混入の心配も少ないのもポイントです。品質管理部門が実施する微粒子検査・エンドトキシン試験の不合格率が下がったというケースもあります。
撹拌と脱泡を1ステップで行うことで、装置起動回数が半減し、スタンバイ時の待機電力や真空ポンプの運転時間を短縮できます。加えて容器内で直接混合・脱泡するため溶剤蒸発が抑えられ、VOC排出量が削減されたケースもあります。
部品に材料が付着しない非接触方式は、洗浄溶剤の使用量も大幅に減り、産業廃棄物として処理するコストや環境負荷も低減します。省エネ補助金の対象装置に認定されることも多い点も特徴です。初期投資を加味しても早い段階で償却できるケースが増えています。

独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
防爆仕様のため大量の材料を混ぜても安心
シリカ、高粘度樹脂、ワニス、セラミック増粘剤、オイル、UV硬化性樹脂など

1カップ300mlから7000mlまでの間で、中容量のラインナップが最多。
撹拌による温度上昇を抑制することができる
接着剤、フィラー、導電性ペースト顔料、酸化チタンなど

研究用コンパクト機のなかでも、100mlの小型モデルあり。
新規材料でのレシピ提案のアフターサービスあり
シール材、グリス、ガラスペースト、シリコーン樹脂、PDMSなど
2021年11月2日時点で、Google検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが製造している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
【選出基準】
多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を製造しているメーカーを選出。
小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種製造しているメーカーを選出。
小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種製造しているメーカーを選出。