材料を混ぜ合わせた時に混入する気体が、液中にそのまま残っていると見た目や品質に影響を及ぼすことがあります。材料に混入した気体を除去して、品質の保持や向上を実現した撹拌脱泡機の事例を紹介します。
接着剤のメーカー事例。製造する多品種の接着剤を脱泡するために効率のいい装置を求めていました。生産性と設備コストの面で、HR100とマッチ。脱泡機能面は、真空ポンプで強制的に脱泡し希望の脱泡レベルをクリアできました。
LED材料の製造メーカーの事例。脱泡と仕上げ分散を同時に実施し、量産化と生産性アップを希望していました。容器サイズと、4個掛けで生産できる量産機としてHR100とマッチし、課題解決に至りました。
電機用接着剤などに利用される絶縁性ペーストは、気泡が残ったままでは、品質に影響を及ぼします。機械を使って撹拌脱泡することで、ペースト状の素材に混入していた気泡を、きれいに取り除くことができました。
液晶パネルの構造接着などに使われるUV硬化接着剤は、UV(紫外線)を照射すると短時間で接着する、速乾性の高いものです。材料に気泡が残っていると、品質に影響が出るため、取り除かなければなりません。手撹拌では難しいので、撹拌脱泡機を使って、液体の中に混入した気泡を、短時間できれいに取り除きます。
美容液は、メーカーによって様々な材料を用いますが、製造工程で液体に気泡が発生した場合、見た目や品質に問題が起こります。手撹拌では難しいことと、大量生産などの理由から、機械を使って撹拌脱泡を行います。大量の気泡も機械を使うことで、きれいに取り除くことが可能です。
PDMS(高精密転写用シリコーン印象材)は、主剤・硬化剤の2液が透明なので、撹拌状態を目視で確認することが難しいものです。気泡が混入していると転写の妨げとなるため、十分に脱泡する必要があります。撹拌脱泡機によって処理したところ、短時間で粘度差のある材料も均一に撹拌し、微小な気泡まで取り除くことができました。
銀ペーストは、粒子が沈殿しやすく、手撹拌した後の真空減圧に30分かかります。脱泡時に溶剤成分が揮発したことで、ボイドが発生し、品質に問題が生じることがあります。撹拌脱泡機の導入により、材料を均一に分散、微細な気泡まで脱泡でき、材料を変質させず短時間での処理が可能となり、課題を一掃できました。
電子部品メーカーでは、接着剤や樹脂などをシリンジに入れた状態で、脱泡処理をします。小さな径のシリンジの脱泡は手作業では難しいため、遠心脱泡と真空を組み合わせた撹拌脱泡機を用いて、高精度な脱泡処理を行います。本体構造が真空チャンバーとなっているので、シリンジを回転させずに真空引きのみの処理が可能です。
独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
300mlから7000mlまでの間で、容量区分のラインナップが最多。
研究用コンパクト機のなかでも、100mlの最小モデルあり。
2021年11月2日時点でGoogle検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが生産している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
※多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を生産しているメーカーを選出。小~中容器の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種生産しているメーカーを選出。小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種生産しているメーカーを選出。