粘度とは、流れやすさを表わす値のこと。流体の特徴をイメージするための重要な指標です。ここでは、粘度の特徴や粘度に使われる単位、粘度の決め方などについて紹介します。
水や油、空気などの流体は、文字の通り流れる物質です。高いところから低いところへ形を変えながら自然に移っていく性質を持ち、一定の形がありません。
洗面器に水を入れてぐるぐるかき回すと、しばらく水は回り続けた後次第に回転が遅くなり、最終的には止まります。では、水の代わりに油を使うとどうなるでしょうか。水と比較して、はるか短い時間で止まるはずです。
このように、形状変化の速さや回転が止まるまでの時間の違いを引き起こす性質を粘性といいます。そして、粘性の大きさを表す値が「粘度」です。つまり、粘度とは「流れやすさを表わす値」ということです。撹拌する上で混ぜたいもののイメージを粘度などの数値へ変換できれば、その特性を図る物差しが生まれます。
水の粘度μ(ミュー)は20℃で1cP(センチポイズ)であり、1cPをSI単位で示すと1mPa・s(ミリパスカル秒)となります。そして、その千倍が1Pa・s(パスカル秒)です。粘度は、応力「Pa」と時間「S」の掛け算で決まります。例えば、マヨネーズの粘度は1~2Pa・sです。
なぜ液状の流れやすさを表す粘度の単位に、時間を表す「S」が入っているのでしょうか。簡単に結論だけ言うと、化学や食品、化粧品、塗料などの産業界で取り扱う流体には、外部環境の変化によってその粘り気を大きく変化させるものが多くあるためです。
流体の中には環境によって見かけの粘度を変えるものが存在します。その外部環境が、せん断速度です。 せん断応力とせん断速度の比を示してるのが粘度μであり、この比が一定である(せん断速度が変わっても粘度が変化しない)ものが、「ニュートン流体」と呼ばれます。代表的なものが、水や水飴です。
逆にこの比が一定でないもの、つまりせん断速度が変わると粘度も変化するものが「非ニュートン流体」です。代表的なものには、マヨネーズやマーガリンがあります。
粘度計にはさまざまな種類がありますが、一般的に「回転型粘度計」が多く用いられています。測定手順は、まずビーカーの中に液を入れ、その粘り具合に応じた回転ロータを液の中に浸けます。そして、粘度計の測定レンジに合った回転数で回転させ、その抵抗(トルク)を測定。
あらかじめ検定した抵抗曲線により、回転数とトルクを因子として粘度へ数値変換します。つまり、粘度計は回転しているロータの抵抗から粘度を算出するのです。この原理は、ばね式の古いアナログ型でも歪み検知式のデジタル型でも変わりません。
粘度計はロータの種類×回転数によって粘度を算出し、撹拌槽の場合は撹拌翼の種類×回転数によって動力を測定します。粘度の測定方法は撹拌槽の消費動力と原理的に同じであり、つまり運転中の撹拌槽の回転数と消費動力を監視すれば、撹拌槽内の液の粘度変化を知ることができます。
撹拌槽が巨大な回転型粘度計であると意識していれば、反応進行中の粘度を消費動力の変化から推定することが可能です。さらに事務所に戻って流体解析をせずとも、運転中の撹拌槽の回転数を少し変え、その動力変化を見れば攪拌中の流体の多くの情報(ニュートン流体か非ニュートン流体か、乱流か、層流かなど)を得ることができるのです。
独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
防爆仕様のため大量の材料を混ぜても安心
シリカ、高粘度樹脂、ワニス、セラミック増粘剤、オイル、UV硬化性樹脂など
1カップ300mlから7000mlまでの間で、中容量のラインナップが最多。
撹拌による温度上昇を抑制することができる
接着剤、フィラー、導電性ペースト顔料、酸化チタンなど
研究用コンパクト機のなかでも、100mlの小型モデルあり。
新規材料でのレシピ提案のアフターサービスあり
シール材、グリス、ガラスペースト、シリコーン樹脂、PDMSなど
2021年11月2日時点で、Google検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが製造している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
【選出基準】
多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を製造しているメーカーを選出。
小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種製造しているメーカーを選出。
小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種製造しているメーカーを選出。