製造現場で使われる接着剤や、医療品、化粧品などには2種類以上の素材を混ぜ合わるという工程があります。
大気中で2種類以上の素材を混ぜ合わたり素材を充填したりすると、気体が混入してしまいます。気体を含んだままの素材を使うと、作った材料や製品に影響を及ぼす可能性があるため除去が必要です。
不純物である気体(泡)を除去するための装置が脱泡機です。似たような名前の撹拌脱泡機とどう違うのか、それぞれどのような機械なのか、順に見てみましょう。
脱泡機とは、液状の素材(接着剤や充填剤など)に混入した不純物である気体(泡)を除去する装置です。どんな機能や種類があるのか、実際に活用されている業界などについて見てみましょう。
脱泡機は、液状の材料に混入した気体(泡)を取り除く装置です。目視できる泡を取り除くだけではなく、圧力や温度変化によって気泡となって現れる窒素や酸素などの溶存ガスを真空や加圧、超音波によって取り除きます。材料に気泡が残っていると、見た目が悪いだけでなく、製品の効力や性能が下がる原因にもなりかねません。
材料に不純物である気体が含まれると、製品本来の性能や効力が発揮できなくなることがあるため、脱泡機で気体を除去します。素材を混ぜる方式に種類があるように、脱泡にも撹拌・遠心・超音波・真空といった方式があり、方式によって脱泡機の種類が分かれます。気体の排除法が簡易的なものは撹拌と超音波で、脱泡力は弱めです。脱泡力に精度を求める場合は真空式を用います。
脱泡機が活躍している業界は幅広く様々です。粘性のある素材を混ぜる、大量の素材を混ぜたい、人の手で混ぜると時間がかかる、ムラができるなどといった場合に活用できます。
身近な食品や化粧品、医療品などから、化学材料、鉱物など生産現場から研究開発まで幅広い分野で混ぜることに特化して活躍しています。
撹拌脱泡機は、その名のとおり撹拌と脱泡が同時に処理できる装置です。どのような機能を備えているのか、脱泡機と何が違うのか、撹拌脱泡機が活躍している業界と併せて見てみましょう。
撹拌脱泡機は、材料の撹拌や分散とともに脱泡が同時に処理できる装置です。高速で自転公転させ、材料に適した撹拌と脱泡が同時に短時間で行えます。あるいは、撹拌羽根でかき混ぜながら、真空装置によって脱泡します。大多数では、前者の自転公転方式の機械が見られます。
自転公転方式では、自転により撹拌を促す力、公転で脱泡を促す力が生じ、自転と公転の相互作用により渦巻流と上下対流が発生。遠心力と流れの間に生じるせん断力により分散効果の高い撹拌が行われます。処理精度を高めたいときは、真空下で脱泡処理を行います。
撹拌脱泡機が脱泡機と大きく違うのは、撹拌と脱泡が同時に処理できる点です。脱泡機は気泡を除去する脱泡はできますが、撹拌はできません。材料に混入し圧力や温度変化によって気泡となる窒素や酸素などの溶存ガスを取り除くことに特化しています。撹拌脱泡機は、真空装置や遠心力を利用して材料の撹拌と脱泡が同時に行える装置です。
化学産業での機能性接着剤やペースト状の材料、医療産業での軟膏、人工骨の材料、化粧品産業でのメイクアップ材料などの事例があります。自転公転方式の撹拌脱泡機は、材料が高粘度で取り扱いに困っている、羽根などで粒子形状を壊したくない、容器や装置の洗浄が面倒といった問題に応えることが可能です。撹拌脱泡機は多種多様な物質を混ぜ合わせるシーンにおいて、様々な分野や業界で活躍しています。
独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
1カップ300mlから7000mlまでの間で、容量区分のラインナップが最多。
研究用コンパクト機のなかでも、100mlの最小モデルあり。
2021年11月2日時点でGoogle検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが生産している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
※多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を生産しているメーカーを選出。小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種生産しているメーカーを選出。小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種生産しているメーカーを選出。