エポキシ樹脂やシリコーン樹脂など、粘度の高い材料は、手撹拌では気泡が混入したりムラやダマができたりします。高粘度の樹脂を、撹拌脱泡機を使って、高精度に効率よく処理した事例を紹介します。
二次電池材料の製造メーカーの事例。粉体と樹脂と溶剤を大量に撹拌脱泡できる機械を探していました。研究開発で使っていた撹拌脱泡機と同等の量産機として、HR200とマッチ。脱泡は今必要というわけではなかったのですが、将来の可能性を考えて真空機能も追加しました。
液晶用の樹脂を撹拌脱泡した事例。200Pa以上の高粘度樹脂と粉を十分に分散できる量産機が必要でした。既存装置の耐久性に悩みがあり、年間のメンテナンスコストが高く、機械の更新を希望。HR040とマッチングし、メンテナンスしやすい構造と処理能力で課題解決しました。
新材料を追加すると、高粘度の材料が加わり、撹拌装置のモーターが過熱し、振動音が大きくなるという問題が発生しました。撹拌脱泡機を導入して、振動音の問題は解消できましたが、モーターへの負担は避けられず、加熱する恐れがあります。専用の排熱テーブルを併用し、装置内の温度上昇を抑えることで、安心して作業できるようになりました。
エポキシ樹脂は、混ぜ合わせる硬化剤の配合や種類によって、様々な分野で使われている素材です。強い接着力を持ち、酸素や水分の透過性が低いという特徴があります。エポキシ樹脂は、粘度が高い材料のため、手撹拌では時間がかかり、気泡やムラができることもあるので、機械を使って撹拌脱泡するときれいに仕上がります。
シリコーンは、樹脂・オイル・ゴムなどさまざまな性能状態になるため、電子電気関係から化学、繊維、食品、化粧品、建築とさまざまな分野で活躍している機能性素材です。手作業で混ぜると気泡が入りやすく、大量生産されることも多いため、撹拌脱泡機を用いて処理されます。
シーラントとは、歯の治療時に用いられる、奥歯や前歯の溝を埋める歯科用プラスチック樹脂の一種です。手で混ぜるとムラができ、気泡が入りやすいですが、機械を使って撹拌脱泡すると樹脂を均一に混ぜることができます。
化合物半導体の製造工程で、樹脂モールドがあり、使用する樹脂を手撹拌しています。この作業は数十分~数時間かかる上、ばらつきが出やすく均一に混合できないことが問題です。撹拌脱泡機を導入し、誰が作業しても同じ品質の安定した脱泡が可能となりました。作業時間が約10分と大幅に短縮でき、別作業に充てるなど時間を有効活用できます。
比重差のあるフィラーと樹脂を、材料温度を上げずに、均一分散したいという問題があります。解決方法を探すうちに、撹拌脱泡機にたどり着き、機械を導入。公転自転の回転数の個別設定や、ステップモードでの連続運転により、ムラのない均一な撹拌と脱泡ができました。短時間での処理が、発熱を抑制することにもつながります。
独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
1カップ300mlから7000mlまでの間で、容量区分のラインナップが最多。
研究用コンパクト機のなかでも、100mlの最小モデルあり。
2021年11月2日時点でGoogle検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが生産している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
※多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を生産しているメーカーを選出。小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種生産しているメーカーを選出。小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種生産しているメーカーを選出。