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撹拌時に使われる邪魔板

攪拌では邪魔板が使用されるケースもあります。邪魔板とはといった基本的な事から、邪魔板のメリット、種類や取り付け方などをご紹介します。邪魔板に興味乗る方はぜひご覧ください。

邪魔板(バッフル板)とは

邪魔板とは、その名称が示すように流れを「邪魔」するための板です。流体の流れ中に設置することで、流れの向きや速さを変えることで浮遊微粒子を分離するためのものです。ちなみにバッフル板と呼ばれているものも同じものです。

邪魔板のメリット

攪乱の流れを敢えて邪魔することで、上下流(乱流)を発生させます。これにより、攪拌の効果が高まります。邪魔板を使用せずとも偏心取付によって乱流を起こすことは可能ですが、シャフトに負担がかかっていました。

しかし邪魔板であれば、負荷をかけることなく乱流を生むことができます。他にも泡立ちの原因となるボルテックスの抑制効果、益虫の個体の沈降防止や混合、さらには温度・濃度の均一化をもたらします。

邪魔板の種類

邪魔板にはいくつかの形状があります。オーソドックスなタイプで最もシンプルな「平板形状」のものから、強度があることから高速回転や高粘度液体、長いバッフルにて効果を発揮するL型形状、液体の抵抗を軽減する円筒形状があります。

取付け方

タンク溶接式

タンクの内壁面に溶接する方法です。邪魔板を2枚以上使用することで取り付け強度が高い点が特徴。これにより、高粘度液体の攪拌・高回転にも対応します。こちらの取り付け方がオーソドックスな形となっています。

タンク着脱式

タンクの内壁面に溶接したブラケットに邪魔板を取り付ける方法です。ブラケットはボルトを使用することで強度を出します。洗浄時だけではなく、他の攪拌のために一時的に邪魔板を外さなければならない時に有効です。

蓋着脱式

蓋のポートに邪魔板を設置・固定する方法です。蓋を外すことで邪魔板そのものも外すことができるタイプです。攪拌しない時には他の目的でポートを使用
できるので利便性の高い方法です。

設計寸法と取付本数の最適化

バッフル幅は適正な寸法に設定するのが大切です。幅が広過ぎると動力が急増し、狭過ぎれば渦巻抑制効果が不足します。本数は、低粘度液で4枚が標準ですが、小型槽や高粘度では2枚でも十分です。上端は液面よりも突き出しすぎないようにし、下端クリアランスをインペラ端から適正な範囲に保つとデッドゾーンが減少します。

既設槽で幅を変更できない場合は溶接ボルトでスペーサーを追加し、簡易的に厚みを稼ぐ方法もあります。

CFDと流動可視化で見る効果

CFD解析を行うと、渦度や剪断速度分布を可視化できるため、高粘度域でも乱流遷移点を予測可能です。実機では蛍光粒子追跡(PIV)や導電率プローブで流速を測定し、設計値と比較することで動力コストを10〜20%削減できるケースもあります。試作段階からCFDを併用すれば、過大スペックのモーターや不必要な羽根径を回避でき、設備投資を最小化できます。

材質と表面処理の選定ポイント

材質は内容液のpH・温度・清浄度に応じて選びます。食品や医薬向けではSUS316Lに電解研磨を施し、CIP/SIPの洗浄死角を低減するようにしていきます。

塩酸や次亜塩素酸を扱う場合はハステロイやPTFEライニングが有効です。PTFE被膜は摩擦係数が小さく付着物の剥離を助け、洗浄時間を短縮します。軽量化が必要な場合はチタン合金製バッフルを採用し、回転機構への慣性負荷を抑制する方法もあります。

メンテナンスと安全上の注意

運転中に攪拌軸が共振するとバッフルと衝突し欠損を招く恐れがあります。起動時はインバーターでゆっくり回転数を上げ、共振域を速やかに通過させましょう。

バッフル裏面は滞留域となり微生物や沈渣が蓄積しやすいため、内視鏡で定期点検しOリングやガスケットの劣化も同時に確認します。高温CIP後は溶接部に残留応力が生じるため、冷却後にトルクレンチで増し締めして漏洩を防止することが推奨されます。

省エネ設計と動力削減

バッフル板は攪拌効率を上げる一方で、過剰に設置すると消費電力が増大する点に注意が必要です。対策として、バッフル表面にスリットや穴を開け、循環流を妨げ過ぎない「パーフォレーテッドバッフル」という方法もあります。既設の平板バッフルにドリル加工するだけで導入できるため、エネルギーコスト削減を狙う既存プラントの改修にも適しています。

また、CFD 解析で穴の配置を最適化するとさらなる省エネ効果が期待できます。

カスタムメイドできる業者もいる

邪魔板をカスタマイズできる業者もいます。例えば着脱式とリング一体型のバッフル板もあります。既存の攪拌では満足できない方、邪魔板を活用してみたものの、思った成果を挙げられずにいる方などは一度相談してみるのもよいでしょう。

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撹拌脱泡機メーカー厳選3社

自社製品や素材の特性に合わせて繊細な調整ができ、効率化につながるカスタマイズ性と、自社製品での処理精度をしっかり追求できるようレンタルとデモの両方ができることに注目し、処理目的ごとにメーカーを厳選しました。
量産‧⼯業利⽤
多量・大容量の
処理向き

三星工業

公式キャプチャ
引用元:三星工業株式会社公式HP(https://www.mitsuboshi-k.co.jp/high_rotor/)

独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。

防爆仕様のため大量の材料を混ぜても安心

処理可能な容器の容量
300ml未満
1L未満
10L未満
20L未満
20L以上
【例えばこんな素材】

シリカ、高粘度樹脂、ワニス、セラミック増粘剤、オイル、UV硬化性樹脂など

公式HPで
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量産‧⼯業利⽤
小~中容量の
処理向き

写真化学
(プロダクトカンパニー)

公式キャプチャ
引用元:写真化学(プロダクトカンパニー)公式HP(https://www.shashin-kagaku.co.jp/)

1カップ300mlから7000mlまでの間で、中容量のラインナップが最多

撹拌による温度上昇を抑制することができる

処理可能な容器の容量
300ml未満
1L未満
10L未満
20L未満
20L以上
【例えばこんな素材】

接着剤、フィラー、導電性ペースト顔料、酸化チタンなど

公式HPで
詳しく確認

撹拌脱泡機の
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研究開発利用
小容量での
開発処理向き

シンキー

公式キャプチャ
引用元:シンキー公式HP(https://www.thinkymixer.com/ja-jp/)

研究用コンパクト機のなかでも、100mlの小型モデルあり。

新規材料でのレシピ提案のアフターサービスあり

処理可能な容器の容量
300ml未満
1L未満
10L未満
20L未満
20L以上
【例えばこんな素材】

シール材、グリス、ガラスペースト、シリコーン樹脂、PDMSなど

公式HPで
詳しく確認

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多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を製造しているメーカーを選出。
小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種製造しているメーカーを選出。
小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種製造しているメーカーを選出。