混ぜるものに合わせて撹拌する位置を調整することで、よりスムーズに作業できます。より効率良く混ぜる場合は、邪魔板(バッフル)の設置も必要です。他にも、脱泡対策として脱泡機能付きの撹拌機が適している場合もあります。撹拌作業の効率化を求めるなら、知っておきたいポイントを押さえておきましょう。
はじめに、撹拌工程では「どこで混ぜるか」と「なぜ混ぜるか」をセットで考えることが欠かせません。均一化、沈降防止、脱泡、反応促進、温度均一化など、目的が変われば理想的な撹拌位置は大きく変わります。撹拌機を容器の中心に置いて回すだけだと、液体全体がただ一緒にぐるぐる回るだけで、うまく混ざらない共回りという現象が起きてしまうためです。そうなってしまうと、求める品質を得られません。事前の計画が大事と心得ておきましょう。
攪拌位置を考えることで、液体の表面にできる大きな渦(ボルテックス)も抑えられます。空気を巻き込んで泡が立つ、といった問題の対策にもなります。さらに、混合物の粘度・比重差・温度依存性、さらには使用する撹拌翼の形状(プロペラ型・ピッチドブレード型・ディスクタービン型・アンカー型など)も設置するべき高さなどに影響します。ポイントごとに具体的な検討軸をまとめました。自社の製造条件に合わせて、参考にしてみてください。
撹拌する対象物同士の比重差が小さく、全体的に均一化したいという場合、容器の中ほどで中心からずらし設置します。偏心設置という方法で、不規則な乱入の発生により撹拌の効率化が可能です。
この方法は、液面の渦発生の抑制も期待できます。空気を巻き込んでしまう、泡立ちが発生するなどの問題対策もできる点がメリットです。撹拌機を槽の上に設置する場合の方法として、基本の位置と考えていいでしょう。プロペラ羽の一般的な撹拌機でも採用される置き位置です。
偏心設置は、「同心円流を崩して乱流を強める」というメカニズムで働きます。撹拌翼を槽径の5~10%程度オフセットすることで、液流が斜め方向へ折れ曲がり、上下・径方向の循環成分が一気に増加します。特に低粘度系では、これにより混合時間を大きく短縮できるとされています。
一方、軸にかかる横荷重は中心設置に比べて1.3~1.5倍に増えるため、長期運転ではベアリング摩耗やメカニカルシールの偏摩耗が懸念されます。対策として、振動・変位センサーで軸振れを監視する、中心配置+4枚バッフルに置き換えて乱流を確保する――といった方法も併用すると安定運転につながると心得ておいてください。
下方撹拌という、容器の下方で撹拌する方法もあります。比重が重い、槽の排出ノズルに内容物の蓄積が見られる場合の予防や対策が期待できる位置です。吸い上げる液流が強くなり、沈んだ内容物を引き上げつつ混ぜられます。
下方配置の最大メリットは沈降抑制と底部死角の解消です。粒子径や比重差を考えることで、固体を含むスラリーでの固体浮遊率(solid suspension rate)が劇的に向上されるとされています。
ただし底部クリアランスが狭すぎると「吸い込み流」が弱まり、むしろ再沈降を招く懸念があります。そのため、翼水平面が排出ノズルより50–100mm高い位置を目安に調整します。また、高粘度で底寄り撹拌を行うとモーター負荷が急増するので、アンカー+ヘリカルリボンを低速で回す、粘度低下温度まで一時加温してから混合するといった工夫が重要です。
内容物の中には、比重が軽いものもあります。液面上に浮く材料を、上から入れて強い液流を起こしたいなら邪魔板の設置が必要です。邪魔板を設置することで、撹拌槽の中に乱流を起こせます。液流を邪魔板に当てることで不規則な動きにして、撹拌効率をアップさせるのです。
これで液体がただ回るだけになる状態を解決できます。軽い内容物も槽内に引き込みやすくなるのがメリットです。
邪魔板は、「撹拌槽内の回転流(スワール)を抑えて乱流・循環を促す」役割を持ちます。効果を最大化するにはバッフル幅を調整し、配置枚数、長さを考えていく必要があります。
加えて、流線型バッフルや円柱バッフルを採用すると、洗浄性とせん断負荷低減が同時に確保できます。食品や医薬分野ではCIP/SIP対応が必須なため、取り外し式バッフルや丸棒バッフルが主流です。
粉体投入時のバッフル応用として、バッフル板上端を液面より50mmほど突き出させると、粉の外周流れを遮り中央渦への巻き込みを防げます。粉が液面で固まりやすい場合は、これと「粉体ホッパー+真空吸引投入」を組み合わせることで、増粘剤ダマ率が改善したケースがあります。
撹拌する位置によって、混ぜる効率性が高められます。なぜ混ぜるのか、内容物の性質に合わせてどこの位置にすればいいか適した場所で撹拌することで、結果は大きく変わるでしょう。
全体的に均一化したいなら、容器の中ほどで中心からずらした場所に撹拌機を設置、沈降の予防や解消をするなら容器の下方に設置、水面付近までちゃんと混ぜたいなら、邪魔板を設置、と方法はさまざまです。もし、脱泡を効率良く行いたい場合は、脱泡機能を持った撹拌機を選びましょう。

独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
防爆仕様のため大量の材料を混ぜても安心
シリカ、高粘度樹脂、ワニス、セラミック増粘剤、オイル、UV硬化性樹脂など

1カップ300mlから7000mlまでの間で、中容量のラインナップが最多。
撹拌による温度上昇を抑制することができる
接着剤、フィラー、導電性ペースト顔料、酸化チタンなど

研究用コンパクト機のなかでも、100mlの小型モデルあり。
新規材料でのレシピ提案のアフターサービスあり
シール材、グリス、ガラスペースト、シリコーン樹脂、PDMSなど
2021年11月2日時点で、Google検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが製造している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
【選出基準】
多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を製造しているメーカーを選出。
小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種製造しているメーカーを選出。
小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種製造しているメーカーを選出。