商品開発にあたり、研究用の撹拌脱泡機(ラボ機)を購入後、別途生産用の機械(量産機)を購入するという流れが一般的ですが、新しい効率化アイディアとして「ラボ機と量産機の同時購入」があります。どのように効率化につなげることができるのでしょうか。具体的なメリットを詳しく紹介していきます。
商品開発する際、ラボ機を購入して、試作やテスト用に機械の回転比率や時間などの調整・設定を行います。続いて商品を生産するため、ラボ機とは別の生産機を購入するという流れが一般的です。
この時、ラボ機と生産機のメーカーが違うと、ラボ機で調整した回転数や比率などが使えず、また一から機械の調整をする場合があります。ラボ機と生産機のメーカーを揃えて、同じ仕様にしておけば、移行作業が効率よく行えます。
ラボ機と生産機を同じメーカーで揃えるなら、できれば開発機の選定時点で、生産機に必要となりそうなカスタマイズの内容を考えておきましょう。
同じ仕様の機械を使うので、事前に必要なカスタマイズ内容を整理しておけば、悩む時間を削減できます。
ラボ機と生産機を同じメーカーにするメリットは他にもあります。処理能力への不安が軽減されることです。
別メーカーで機械を導入すれば、処理精度が思っていたものと異なる恐れもあります。会社選定やデモ運転も必要になり、生産に至る前後でかなりの時間を要するでしょう。ラボ機と生産機のメーカーを同じにしておけば、開発から生産へ移行する時間が短縮でき、生産に早く着手して、生産性向上にもつながります。
カスタマイズに幅広く対応でき、さらにラボ機と量産機に対応している会社は多くありません。その中でも、特に量産化の際の処理容量に重きを置いて、最大80Lの同時処理ができる三星工業に注目しました。
導入前にデモ機の利用や長期レンタル(有償)があり、失敗しない導入ができるというポイントも見逃せません。
「自転2:公転1」の比率による高い分散力が特徴。この比率で回転を調節することで、処理時間の短縮と高精度の撹拌脱泡ができます。
この分散メカニズムは新潟大学との共同研究で、自転:公転=2:1での分散性が高いと確認されています。
粉体と液体、粘度の高い素材のきれいな撹拌脱泡ができるのは、この強力な分散力が発揮されるからなのです。
三星工業の撹拌脱泡機は、全モデル4カップ搭載です。他社の多くが1カップか2カップ搭載の対応であるのに比べて、かなりの生産量が期待できます。
特にHR200モデルは、20L容器を4カップ搭載できるので、一度に最大80Lの処理が可能です。
さらにワンモーターで自転公転をし、独自のアウターリング方式によるシンプル構造を実現したため、フル稼働していても振動や騒音がほとんどないことも特徴です。シンプルな構造のため、メンテナンスが比較的簡単というメリットもあります。
ラボ機から量産機まで幅広いメーカー
三星工業の公式HPで
撹拌脱泡機のカタログを見る
HR003-04VRS
HR003-04A/V
HR005-04A/V
HR010-04A/V
HR100-04A/V
HR200-04A/V
300mlや500ml、シリンジ対応のラボ機から、販売容器そのままで処理可能な中容量撹拌脱泡機、工場ライン向きの大容量の処理が可能なものまで、幅広く揃っています。
大容量タイプは、一度の処理最大量が80Lと、ほかになかなか見られない規模感のため、大容量の処理をしたいユーザーに重宝されます。
ドライアイスでの冷却・指定容器へのアタッチメント・防爆仕様・クリーンルームなど、カスタマイズ対応には数多くの実績があります。設置場所に合わせ大きさや形を変更した例もあります。
1948年の創業から長年の間に培った技術と知識に基づき熟練の専門技術者が対応し、細やかな対応力を見せてくれます。
設計・製造・組立を行っている会社ならではの、心強いサポート体制があります。
処理精度と機械の品質に自信があるのは、全社で生産品質の強化に向けて取り組んでいるためです。きちんと処理精度を確かめてもらうために、最長1か月の有償レンタルやデモ機使用の態勢を整えているのも特徴です。
ラボ機から量産機まで幅広いメーカー
三星工業の公式HPで
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容器の容量アップと、圧力容器への変更
(モデル:HR200)
バッテリー製造会社からの依頼。これまで3kg容器だったが、20kg容器が使えるよう変更にしたい、材料に揮発性があるので、処理中の容器内圧を抑制する圧力容器を使いたいという要望に対応しました。
駆動動力の容量を上げる設定変更を行うことで、問題を解決。自由度の高いカスタマイズに対応できる機械ため、スムーズな生産設備の立ち上げに貢献できました。
容器温度をリアルタイムで計測・冷却設備を別途追加できる仕様にカスタマイズ
(モデル:HR100)
電池メーカーから、分散時の温度上昇に限界がある材料の分散で、容器の外から温度を計測し、モニター監視できる仕様を追加したいとの要望がありました。
特殊な給電装置を導入し、リアルタイムで測定できる構造を追加、冷気を入れて温度調整が行える冷却ラインも導入。後付けで冷媒を供給する設備を付加したことで、容器内の材料の温度調整も可能になりました。
装置の有機酸への耐性と防爆仕様
(モデル:HR100)
繊維メーカーでのカスタマイズ事例。生産している材料に含まれる有機酸に対応できるように、装置の材質変更と表面処理、防爆仕様のカスタマイズを行いました。
他社では不可能だったカスタマイズができたことにより、遊星式分散機を生産ラインに投入して、コンパクトなライン化を実現。課題を克服することができました。
設置環境でスペースと強度に制限
(モデル:HR040)
分散装置を設置する際、工場内の通路が狭く、設置場所の床の強度不足のため、装置の軽量化とコンパクト化のカスタマイズを希望。
ハイローターの心臓部はそのままで、保護カバーと機器のレイアウトを変更して対応しました。搬入経路に質量制約があったので、装置本体を分割構造にし、設置場所で組み立てを実施しました。
所在地 | 新潟県上越市柿崎区法音寺345番地 |
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営業時間 | 記載なし |
定休日 | 土日 |
電話番号 | 025-536-2257 |
公式HP | https://www.mitsuboshi-k.co.jp/ |