ほとんどの撹拌機にはモーターが搭載されていますが、大別して電気モーター式とエアモーター式があります。このページでは、それぞれのモーターの違いやメリット・デメリット、撹拌機を導入する際の選び方をご紹介します。
電気モーター式は、モーターの動力源に電気を利用している撹拌機をいいます。電気をエネルギーにモーターが撹拌羽根を動かし、液体や粉体を撹拌する仕組みです。
電気モーター式は広く普及しており、さまざまな製品の中から選べます。バリエーションが豊富なため、ニーズに合った物を選びやすいのが強みです。また、後述のエアモーター式と比べて低速域で利用できます。
電気モーター式はエネルギー効率に優れており、圧縮空気駆動のエアモーター式に比べて4~7倍の効率とされています。そのため、長時間の連続運転ではランニングコストを低く抑えられる利点があります。また、インバータ制御などにより回転数やトルクの精密な制御・モニタリングがしやすい点も特徴です。一方で、モーター稼働中に発熱やブラシからの火花が発生する可能性があり、粉塵や可燃性ガスが存在する環境では防爆仕様でない限り使用できません。
一方、電気モーター式の撹拌機は重量があるため、扱う際は力が必要です。防爆エリア未対応の製品も多いため、防爆エリアで使う際は注意しましょう。
エアモーター式は、空気の力を利用して撹拌羽根を動かす撹拌機をいいます。圧縮空気が回転力を生み出すため、電気は必要ありません。製品によっては給油不要で動かせる場合もあります。
エアモーター式のメリットは、本体重量が軽い点です。製品によりますが、電気モーター式より扱いやすいのが魅力といえます。防爆対応した製品もあるため、防爆エリアでの使用にも適しています。
エアモーター式は電気火花やモーター発熱がなく、過負荷時にも焼損しない安全性の高さが特徴です。しかし、エアの排気音が大きく、給油を伴う機構では使用時・使用後のオイル管理に手間がかかるといった、電気式にはないデメリットもあります。さらに、電気式のようにトルク測定や回転数の精密制御を行うのは難しく、高度な制御・計測が必要な用途には不向きです。
一方、エアモーター式の撹拌機を使うには、圧縮空気の供給設備が必要です。低速運転も難しいため、速度の細かな調整にも不向きといえます。
ここからは、ケース・ニーズ別に撹拌機の選び方をご紹介します。
導入コストを抑えたい方は、電気モーター式の撹拌機を選びましょう。バリエーションが多く、さまざまな価格帯の製品が販売されています。エアモーター式は電気式に比べ高価で、コンプレッサー等の設備導入が必要な場合は初期費用が割高になります。さらに、エア駆動は電動に比べエネルギー効率が低く、長時間使用時にはランニングコストが増加しやすい点にも注意しましょう。
防爆エリアで使う場合、電気を使用しないエアモーター式の撹拌機がおすすめです。ただし、防爆対応の有無は製品によって異なります。特にエアモーター式は火花や高温を発しないため、粉塵や可燃性ガスが存在する環境下でも本質的に安全に稼働できる利点があります。
メンテナンス性重視ならエアモーター式がよいでしょう。構造がシンプルなうえ、給油不要で動かせる製品もあります。ただし、圧縮空気の供給設備(コンプレッサーや配管類)にも定期的なメンテナンス(ドレン抜きやフィルター交換など)が必要となるため、設備全体で計画的に維持管理を行うことが重要です。
回転数を調整したい場合は、電気モーター式の撹拌機を選びましょう。エアモーター式と比べて速度の微調整が容易です。
軽量な撹拌機が必要な時はエアモーター式が適しています。モーターが不要な分、電気モーター式よりも軽量な製品が多数あります。
音を抑えたい時は電気モーター式がおすすめです。なお、エアモーター式もサイレンサーを付けることで音を抑制できます。
電気モーター式撹拌機は、100V/200Vの電源を用いる有線駆動タイプが一般的な動力源です。食品業界や一般の製造現場など、電源が確保しやすく爆発リスクの低い用途で広く採用されています。一方、エアーモーター式は防爆性が求められる化学工場・塗料製造現場や有機溶剤を扱う医薬品製造工程で選ばれる傾向があります。環境に合わせて使い分けをすることで、効率化と安全性のどちらも確保可能です。
電気式は圧縮エアを介さないためエネルギーロスが少なく省エネ性に優れ、動作音も静かです。エアーモーター式は電気を使わないため火花が発生せず、モーター停止時にも過熱しにくいため可燃性ガス環境でも安全に運転できます。ただし、エア駆動特有の排気音やオイルミストの排出があり、消音器やオイルフィルターといった対策が求められます。
撹拌時の脱泡でお悩みなら、撹拌脱泡機の中から探してみるとよいでしょう。撹拌脱泡機は、通常の撹拌機の機能に加え、材料内の脱泡機能が備わった装置をいいます。撹拌と脱泡プロセスを同時に行えますので、別々に対応している場合は工数を削減できます。
また、撹拌脱泡機は製品の種類が豊富です。防爆対応やメンテナンス性が高い製品などもあるため、幅広いニーズに対応しています。脱泡の自動化が必要な時は、撹拌脱泡機を検討してみましょう。

独自の4カップ仕様により、最大80Lの大量処理が可能。
防爆仕様のため大量の材料を混ぜても安心
シリカ、高粘度樹脂、ワニス、セラミック増粘剤、オイル、UV硬化性樹脂など

1カップ300mlから7000mlまでの間で、中容量のラインナップが最多。
撹拌による温度上昇を抑制することができる
接着剤、フィラー、導電性ペースト顔料、酸化チタンなど

研究用コンパクト機のなかでも、100mlの小型モデルあり。
新規材料でのレシピ提案のアフターサービスあり
シール材、グリス、ガラスペースト、シリコーン樹脂、PDMSなど
2021年11月2日時点で、Google検索で「撹拌脱泡機」と検索し表示されたメーカー公式サイト19社の中から、「カスタマイズ可能」「レンタル可能」「デモ利用可能」の記載があった3社を表示しています。それぞれのメーカーが製造している機械のラインナップの特徴を基に、利用シーンをお勧めしています。
【選出基準】
多量・大容量の処理向き…一度に合計40L以上の処理を行える機械を製造しているメーカーを選出。
小~中容量の処理向き…300mlから1Lの容量で処理可能な機械を多種製造しているメーカーを選出。
小容量での開発処理向き…100mlの容量で処理できる機械を多種製造しているメーカーを選出。